女である証拠


「胸がなくなる」ということが、どれだけ苦しいことなのか・・・。




ニュース23の特集を見ていて。


乳がんによる乳房喪失」について。





昔は「乳がん」といえば、乳房を全摘出しなくてはいけませんでした。
しかし2000年を境に、「乳房温存術」と術式が選択されることが多くなり、それは患者にとっては「胸を失わない」という意味でメリットが大きいと言われていました。
そして、私もそのように学習しました。



今日の特集を見るまで、それを信じていました。
でも、それが思わぬ落とし穴だったようです。


「乳房温存術」といっても、元の形をそのまま残せるわけではなく、やはり胸の形は大きく変わり、「温存」という言葉が使われてもいいのか?と思わせるほどの状態になってしまうのです。


そして、その状況から脱するために「乳房再建」を選択しても、温存をして再発防止の為に放射線治療をする*1為に皮膚が硬くなり、再建するためにシリコンバッグを挿入して皮膚をかぶせることが困難なのだそうです。
また、再建術には保険が適応されることはない・・・。
「乳房再建」をするのであれば、「全摘出」を選択したほうが再建しやすいのだそうです。



様々な乳がん患者のみなさんは、そのような話を医師から説明されることはなく、術後に病気の再発におびえながら「胸を失った」という事実を受け止めることにとてつもない苦しみを味わっているのです。




自分も「絶対にならない!」とは言い切れない病気だし、もう年齢的にも注意をしていかなければならない年になりました。
その上でこの現実を知って、もっと患者への十分な説明が医師には必要であり、病状によるかもしれないけど、患者が自分が納得できる方法で治療を受けることの重要性を実感しました。
そして、私がもし罹患したとしたら、しっかりと自分の病状を把握して自分の納得する方法で治療を選択したいと思いました。




できれば・・・胸を残したい。
可能であれば。



やっぱり女に生まれた以上、胸を失うのは、言葉にならない切なさだと思うのです。

*1:温存だと、がん細胞を全て取りきれた・・・とは言い切れず、再発防止に追加治療を必要とする