さばを読む


80歳代の男性の患者さん。


病気と年齢のため、あまり自分から言葉を発しません。
言っても一言二言。
「痛くない」「痛い」「座りたい」「寝たい」
それくらい。


今日車椅子に乗ってナースステーションに遊びに来ていたその患者さんに、「○○さんはいくつになるの?」と聞いてみました。(もちろん年齢は知っています)


いつも通りしばしの沈黙のあと・・・。


「38」


ぼそっと。



ナースステーション内大爆笑!
なに?本気で言ったの?
それともうけ狙い?


「38歳だったら、私と少ししか年変わらないですよ」

そう私が言った後、口角をちょっと上げてにやっとしながら。



「さば読んだ・・・」





50歳もさば読んだの?
いやいや、びっくり。
お茶目な人だとは思っていたけど、こんな発言をするほど素敵な笑いのセンス(爆)を持っているなんて。



しばらく笑いの渦は消えなくて、患者さんは満足そうにニコニコ。




こうやって患者さんと笑いあえる。
そんな時間をもっと増やしたい。